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植「はい、ちょっと、舞台に戻しますけども」
マ「はい」
植「今回の作品、ジョン・パトリック・シャンリィさん」
マ「はい」
植「オレらのね、世代で言うと、二十歳ぐらいの時かな、『月の輝く夜に』っていう、シェールが主演で賞取って、あの」
マ「ニコラス・ケイジ」
植「そうそうそう。あの、アカデミー脚本賞取って、それがスゴい印象残ってるんだけど、スゴいんだよね、トニー賞取って、アカデミー賞取って、ピューリッツア賞取ってって」
マ「スゲー」
植「なかなかいないよ!?」
マ「総取りだよね」
植「うん。映画でしょ、舞台でしょ、そして、文学の世界だから」
マ「競馬界で言ったら、ディープインパクトみたいな人なんだね、もう」
植「(笑)」
マ「獲りまくりだね」
植「で、この作品、ダニーを書いたのが、大体、33ぐらい」
マ「33で、この戯曲書いてんだ」
植「うん」
マ「スゴい」
植「割と、自分を投影してるでしょ?」
マ「うん、らしいね。すごいね。だって、シャンリィ自体が、60…」
植「7かな」
マ「7⁉」
植「うん。ぐらい、多分」
マ「あ~、そうなんだぁ」
植「うん」
マ「へ~。じゃ、トラ年とか丑年とかだね」
植「(笑)出た!お前の好きな、そういうのが」
マ「(笑)」
植「その時に、多分、初演をTry outで、いろんなところで、アメリカの、やって、最後、ニューヨークに来てるけど。それをやってるのが、ジョン・タトゥーロっていう人なんだよね」
マ「へ~」
植「バートン・フィンクっていう映画があるんだけど、それで、スゴい、主演男優賞とか取ってる人が、やっぱ、その人が、26ぐらいで、最初、演じていて」
マ「なるほどね、でも、そうだよね。セリフで29だって出てくんだけどさ、そうだよね」
植「だから、今、昌宏、40なったじゃない?ちょっと、距離感が出来て、逆に、いいんじゃないかなって、オレは思ったんだけど」
マ「そうなんだ。オレ、ナンか、全然、解らないでやってる、その辺は」
植「あぁ」
マ「どっちかって言うと、29なんだっていうけど、あ、そっか、じゃあ、29なら、29の時の、あの、さっき言ったさ、その、それこそ、ジェイルん時じゃないけどさ、その、持ってた、ナンか、を、ちょっと、思い出そう、みたいな」
植「おぅおぅおぅ」
マ「あん時、思ってた、ヘンな、その、自分の中にため込んでたパワーあるじゃない」
植「(笑)」
マ「それを解放しよう、みたいな」
植「(笑)」
マ「だから、やっぱ、あ、ヨカッタなぁっていうのは、あるね。それが、ナンか、たまたま、そうやった時に、演出家の藤田さんに、あ、その感じでいいですねって、言って頂いたから、あ、じゃあ、良かったんだなぁとは、思いますね」
植「藤田さん、書いてたけどさ、企画書に書いてたのかな。ま、この作品がホントは、自分でやりたくて」
マ「あ、おっしゃってた、おっしゃってた」
植「うん、でも、蜷川さんに、お前には、まだ早い、ムリって言われて」
マ「おっしゃってた」
植「それからずっと、ま、どっかに、温めていたものを、多分、今回ね、あ、この作品を演出する為に、演劇をやってきたのかなって書いてて」
マ「書いてた。パンフレットにも、それ、書いてあったし。大変だよ、そんなに、思いを」
植「(笑)」
マ「ね、片思いしてた作品を、あっしがやらせてもらうんですよ。しかも、その想いを込めてた方の演出で」
植「うん」
マ「だからね、でも、ナンか、そのね、重さはね、心地良いんだよ」
植「おぉー、いいね」
マ「あぁ」
植「心地良い」
マ「あぁ、ホント、好きなんだな、この作品っていう、だから、ま、そうだな、熱がどうとかって言ったらもう、別にオレ、知らないし、この作品、元々ね」
植「うん」
マ「知った風にしてもしょうがないから。全く観たこともないから」
植「結構、やられてるんだよね」
マ「そうなんだ」
植「うん、うん」
マ「で、全く知らなくて、あぁ、そうなんだなぁっていう形で、入ったけれど、やっぱり、その、ずっと、そう、長い事、片思いで愛してきてる藤田さんから、話を聴くだけで、すぐに判ったとは、言わないけど、もう、スゴい、その、ラクに作品に入っていけるから、そこは助かってますよ」
植「うーん。内容的にはね、ま、男女の話で、お互い、ナンていうんだろうな、傷を持っていたりとか、する2人が、出会って、バーで出会って」
マ「そうですね」
植「衝突」
マ「するね」
植「して、で、ちょっと」
マ「救われないしね」
植「心許してね、あ、一緒なのかなと思ったら、また、ちょっと離れ」
マ「疎遠になる」
植「うん」
マ「ナンか、その、断片でしょ。だから、話が成り立ってないでしょ、コレって。戯曲が。だから、ある八十何年の、あの、ブロンクスの、ある、情景の一部を切り取っただけだから、別に、その、ハッピーエンドでもないし、ロマンチックでもないし、で?って、最後に言われてしまったら、それで?って言われたら、コレですっていうしかない作品だから、観た人が、ね、みんながみんな、HAPPYではない、もちろん、みんな。ハッピーにはなれないし、そういう作品なんだけど、それが逆にナンかね、心地良いというか、やっぱり、この間も、取材でお話させてもらったんだけど、ちょうど、やっぱり80年代の後半になってきて、いろんなところで、格差が世界的に生まれてきた中で、多分、付いてこれなかった人たちっていうのは、いたと思うんです。日本もそうだけど。アメリカなんて、特にそうでしょ。特にニューヨークなんて。だって、あんだけ、スゴいマンハッタンで、綺麗な場所があって、その横に、ナンで、マンハッタンがあんだけ輝くかっていうのは、やっぱり、何かを綺麗なモノを作るには、その倍以上の汚いものが生まれてさ、ね、掃き溜めが出来るワケじゃないっすか。多分、きっと、同じ時期に、あぁ、綺麗だね、素敵だね、ロマンチックだねっていう作品は、おそらく、ホントに歩いてすぐの所の、プリティ・ウーマンだと思うのね(笑)」
植「うん」
マ「(笑)で、ダニーは、こっちの、あの、全然違った、また、下町の方の、距離感はホントに近いのに、これがきっと現実で、どっちも、ストーリーではあるんだけど、そうやって考えたら、より、その、今回の戯曲に、入り込めるかなっていうのは、ありましたね、はい」
植「昌宏がさ、今も言ったけどさ、いろんな事に、気が配れるヤツだからさ、この主人公の、ダニーっていうのが、遠いところにいるのかなとも思ったんだけど、それは、どうなの?自分的に、この役って」
マ「うん、あの、オレの周りには、こんな人、もちろん、いないよ」
植「(笑)」
マ「いないし、いたら、まず、すぐにぶん殴るけどね(笑)」
植「(笑)」
マ「だけど、やっぱり、多分、今はいないけれど、こういう人は、いっぱいいた」
植「うん」
マ「東京では大人になってから来てるから、大人っても、中学だけど、ナンか、その、北海道だったり、横浜だったり、で、こういうオジサンとか、いた。だから、世の中が理不尽だって言ってる、で、多分、この時代って、やっぱり、尾崎豊さんが流行ってたようにさ」
植「(笑)」
マ「何か、やっぱ、ナンかね、その、屈折とかさ、ね、ぶつけあうって、観えない光に向かって走るとか、何かを壊す、破壊、暴力とか、いじける。だから、その、さっき言ったさ、あの、フォークの人とさ、演劇の人は、そういう人だと思ってたからさ(笑)」
植「(笑)偏見だ。ま、そうとも言うけどね~」
マ「(笑)ナンか、だから、そういうのが入り混じった空気感と匂いっていうのは、ダニーから感じますよね。うん、でも、共感出来るとこは、実は結構あってね。不思議なんだけど。真逆っぽいんだけど、言ってる意味は解るのね。ダニーが怒るのも解るから、それにちょっと、ビックリした。コレ、怒るのが解る、自分は大丈夫かと思ったりもしたし、でも、そうだよなっていう」
植「はけ口の見つけ方が解んない」
マ「判んなくて、とりあえず、空いた穴んトコに、自分の感情を流し込んでるだけの人間だから、うん、その穴がないから爆発するんだなぁっていう、バースト起こすんだなぁっていうのはね、とても解る」
植「向こうに、ナニ、例えば、ぶつかる、人とぶつかるじゃない?向こうに全然、非が無くてもさ、こっちから、ナンか、ぶつかってっちゃうっていう感じ」
マ「そうそうそうそう」
植「(笑)」
マ「もう、向こうなんて、カンケーないっていうさ、もう、まず、人の事を少しでも気にすることが出来るんであれば、彼は、こんな風にはなってないっていう(笑)うん。じゃ、なぜ、彼がこうなったのかっていうのを紐解くよりも、彼を受け入れちゃった方が、早いなっていう」
植「役作りするには」
マ「うん、そっちから入りました」
植「あの、藤田くんは、アレ、お互いに観たじゃない、『手紙』っていう作品を」
マ「観た」
植「ナンかさ(笑)」
マ「オレ」
植「(笑)メールをくれてさ」
マ「オレ、前の日にさ、ジュネが観た、前の日に観ててさ、あの、男の子がさ」
植「柳下大」
マ「う、すごいね~、あの子!ホントにスゴい子だね」
植「ナ、ナン、でもさ、ナンで、急に、その、感想メールをオレにくれたんだろう?」
マ「あの、だって、じゅねと一緒に芝居してた子だから」
植「うんうん」
マ「柳下大くんが」
植「そういう事か」
マ「それで」
植「でも、あとから、オレは、そん時、知らなかったけど、後から、考えたら、あ、ダニーに繋がるんだって思ったけど」
マ「あ、そうか!オレが観に行ったって事ね」
植「そうそう」
マ「あ、オッケー、オッケー。そういう事だね」
植「うんうん」
マ「で、1幕観て、ホント、この、どう、この作品は、どうなるんだ?って思って」
植「(笑)」
マ「ビックリしたの」
植「(笑)お互いね、それ」
マ「がちがちの大映作品みたいな(笑)だったから、スゲーな!どうなんだろう?って思ったら、2で、あんなに動くんだ!と思って。いや、でも、スゴい、あの、どんでんがえしと、やっぱ、演出と、で、柳下くんの、あの、表現力の豊かさ。ちょっと、抱かれたいなと思った」
植「(笑)」
マ「(笑)」
植「いや、藤田くんの演出も、藤田くんってさ、ナンか、東京芸大なんでしょ」
マ「判んない」
植「で、あの、美術から」
マ「あ、でも、そうだって言ってた。美術のアレは」
植「しかもさ、バンドもやってるでしょ?」
マ「そうそうそう、バンドもおやりになってんだよね」
植「だからビジュアル系にもさ、美しい顔をしている(笑)しさ」
マ「うん」
植「そういうのも、演出に感じる?あの、ナンていうの、美的センスっていうかさ」
マ「うん、えーとね、空間センスは感じる」
植「あ~!」
マ「うん」
植「はぁはぁ」
マ「空間デザイナー的なモノは、すーごい繊細。うん、で、やっぱり、声で聴いてるんじゃなくて、あの人は音で聴いてると思う」
植「ほぅ~」
マ「演出。ナンか、だから、ミュージカル、結構、おやりになるって言ってたけど」
植「うんうん」
マ「あ、この人、やっぱ、音の人だっていうのは、感じる。バンドやってる人、特有の」
植「(笑)」
マ「あの」
植「(笑)バンド仲間」
マ「そうそう。そっちで、休符で教える人(笑)楽譜で教える人。うん、それは解るわ」
植「今回、でも、観に来る人、に、何を届けたいっていうのはある?」
マ「うーんとね、届けられるモノはないと思うので、ナンか、こういうリアルなモノ、多分、最後のアナログ時代なのかな。だから、この時代がいい、悪いじゃなくて、こういったモノがあったんだなぁって事が、知ってもらえればいいなっていう。オレも、ナンか、それを知ったから、自分で知ったモノを今度は自分の表現で、伝えるっていうのが、オレの仕事だから、それでナニかが、知ってもらえたらいいなっていう事ですかね」
植「ナンかね、その、初演で演じてた、その、ジョン・タトゥーロっていう人、あとがきに書いてあったけど、ま、ニューヨークまで、評判を呼んで、やったあとに、評判がいいから、ロンドン公演をって言われたんだけど」
マ「あぁ」
植「もういいって」
マ「(笑)もうヤダって言ったでしょ」
植「断ったっていう」
マ「でもね、もってかれる」
植「うん。あ」
マ「体もそうだけどね」
植「気持ちがね」
マ「あのね、(笑)ホントに1回ね、本読みした時に、言ったのは、このオレがですよ、コレ、酒、飲めねーや(笑)」
植「あ~!」
マ「(笑)」
植「(笑)」
マ「もう、帰って来れなくなるかもしんないって言った」
植「切り替え上手な松岡さん」
マ「(笑)帰って来れないかも知んないと思った。今、だいぶ、慣れてきた」
植「うんうん」
マ「今、だいぶ、慣れて来たけど、いやぁ、コレ、持ってかれるね~。肩凝った、最初。スゲー、肩凝った」
植「うん。ま、今、だいぶ、稽古も進んで」
マ「はい」
植「通してみて」
マ「少し通してみて、あ、こういう事なのねって解って来たけど、うん、それでもやっぱり、いろんなとこ、持ってかれる」
植「うん」
マ「少しでも、ま、油断って言ったら、おかしいんだけど、コレ、不思議だね~。入り込もう、入り込もう、入り込もう、と思ったら、入り込みすぎると、全く戻って来れなくなっちゃって、ナンだろ」
植「(笑)あの、危険な人じゃん、街歩いてる時に」
マ「そうなの!それが気を付けなきゃと思って、ホント、ダニーになりすぎて、もう5分間ぐらい、黙ってやろうかなっていう風に思っちゃうぐらい」
植「ゴメンね、ラジオでこんなに喋ってもらって(笑)」
マ「(笑)いやいや、全然、全然なんだけど、もう、黙っちゃおうかなって思うぐらい、ダニーが入って来る時があるから、オレはホントに、イタコじゃなくてヨカッタなと思うけど(笑)」
植「なるほど」
マ「それぐらい、抜けない、ダニー、っていうのは、ありますね」
植「はい、では、もう、最後に、もう、さっきも言ったけど、最後、〆て頂ければ」
マ「そうですね、ま、新しい挑戦で、うん、あの、こういった作品で、嬉しくて、あの、お世辞じゃなくて、こういうスゴいモノがあるって事を知れたので、うん、それは僕の今、出来る、当たり前の事だけど、全力でやって、それをお届けするしか、オレは出来ないから、あの、背伸びすることなく、その表現なのか、パフォーマンスなのか、空間なのか、ニオイなのか、解らないけど、ナンか、一つを感じ取って頂けたらいいなと思いますんで、是非、あの、劇場に足を運んで頂ければと思います」
植「うぃーっす」
マ「うぃっす」
植「では、紹介させて頂きます」
マ「はい」
植「『ダニーと紺碧の海』は東京公演5月13日土曜から21日を紀伊国屋ホールで上演されます。料金が全席指定8500円、兵庫公演5月27日土曜日と28日日曜日、兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールで上演されます。料金が全席指定7500円 未就学児は入場できません。チケットは、チケットぴあ、ローソンチケット、eプラスなどで発売しております。詳しくはパルコステージの『ダニーと紺碧の海』のホームページをご覧ください。という事で、よく出てくれた」
マ「スゴい!よく、そんなに一気に読めますね⁉」
植「いやいや。本日のゲスト、この方でした!どうぞ!」
マ「松岡昌宏でした!ありがとうございました!」
植「ありがとうございました」
マ「ありがとうございました」
マ「はい」
植「今回の作品、ジョン・パトリック・シャンリィさん」
マ「はい」
植「オレらのね、世代で言うと、二十歳ぐらいの時かな、『月の輝く夜に』っていう、シェールが主演で賞取って、あの」
マ「ニコラス・ケイジ」
植「そうそうそう。あの、アカデミー脚本賞取って、それがスゴい印象残ってるんだけど、スゴいんだよね、トニー賞取って、アカデミー賞取って、ピューリッツア賞取ってって」
マ「スゲー」
植「なかなかいないよ!?」
マ「総取りだよね」
植「うん。映画でしょ、舞台でしょ、そして、文学の世界だから」
マ「競馬界で言ったら、ディープインパクトみたいな人なんだね、もう」
植「(笑)」
マ「獲りまくりだね」
植「で、この作品、ダニーを書いたのが、大体、33ぐらい」
マ「33で、この戯曲書いてんだ」
植「うん」
マ「スゴい」
植「割と、自分を投影してるでしょ?」
マ「うん、らしいね。すごいね。だって、シャンリィ自体が、60…」
植「7かな」
マ「7⁉」
植「うん。ぐらい、多分」
マ「あ~、そうなんだぁ」
植「うん」
マ「へ~。じゃ、トラ年とか丑年とかだね」
植「(笑)出た!お前の好きな、そういうのが」
マ「(笑)」
植「その時に、多分、初演をTry outで、いろんなところで、アメリカの、やって、最後、ニューヨークに来てるけど。それをやってるのが、ジョン・タトゥーロっていう人なんだよね」
マ「へ~」
植「バートン・フィンクっていう映画があるんだけど、それで、スゴい、主演男優賞とか取ってる人が、やっぱ、その人が、26ぐらいで、最初、演じていて」
マ「なるほどね、でも、そうだよね。セリフで29だって出てくんだけどさ、そうだよね」
植「だから、今、昌宏、40なったじゃない?ちょっと、距離感が出来て、逆に、いいんじゃないかなって、オレは思ったんだけど」
マ「そうなんだ。オレ、ナンか、全然、解らないでやってる、その辺は」
植「あぁ」
マ「どっちかって言うと、29なんだっていうけど、あ、そっか、じゃあ、29なら、29の時の、あの、さっき言ったさ、その、それこそ、ジェイルん時じゃないけどさ、その、持ってた、ナンか、を、ちょっと、思い出そう、みたいな」
植「おぅおぅおぅ」
マ「あん時、思ってた、ヘンな、その、自分の中にため込んでたパワーあるじゃない」
植「(笑)」
マ「それを解放しよう、みたいな」
植「(笑)」
マ「だから、やっぱ、あ、ヨカッタなぁっていうのは、あるね。それが、ナンか、たまたま、そうやった時に、演出家の藤田さんに、あ、その感じでいいですねって、言って頂いたから、あ、じゃあ、良かったんだなぁとは、思いますね」
植「藤田さん、書いてたけどさ、企画書に書いてたのかな。ま、この作品がホントは、自分でやりたくて」
マ「あ、おっしゃってた、おっしゃってた」
植「うん、でも、蜷川さんに、お前には、まだ早い、ムリって言われて」
マ「おっしゃってた」
植「それからずっと、ま、どっかに、温めていたものを、多分、今回ね、あ、この作品を演出する為に、演劇をやってきたのかなって書いてて」
マ「書いてた。パンフレットにも、それ、書いてあったし。大変だよ、そんなに、思いを」
植「(笑)」
マ「ね、片思いしてた作品を、あっしがやらせてもらうんですよ。しかも、その想いを込めてた方の演出で」
植「うん」
マ「だからね、でも、ナンか、そのね、重さはね、心地良いんだよ」
植「おぉー、いいね」
マ「あぁ」
植「心地良い」
マ「あぁ、ホント、好きなんだな、この作品っていう、だから、ま、そうだな、熱がどうとかって言ったらもう、別にオレ、知らないし、この作品、元々ね」
植「うん」
マ「知った風にしてもしょうがないから。全く観たこともないから」
植「結構、やられてるんだよね」
マ「そうなんだ」
植「うん、うん」
マ「で、全く知らなくて、あぁ、そうなんだなぁっていう形で、入ったけれど、やっぱり、その、ずっと、そう、長い事、片思いで愛してきてる藤田さんから、話を聴くだけで、すぐに判ったとは、言わないけど、もう、スゴい、その、ラクに作品に入っていけるから、そこは助かってますよ」
植「うーん。内容的にはね、ま、男女の話で、お互い、ナンていうんだろうな、傷を持っていたりとか、する2人が、出会って、バーで出会って」
マ「そうですね」
植「衝突」
マ「するね」
植「して、で、ちょっと」
マ「救われないしね」
植「心許してね、あ、一緒なのかなと思ったら、また、ちょっと離れ」
マ「疎遠になる」
植「うん」
マ「ナンか、その、断片でしょ。だから、話が成り立ってないでしょ、コレって。戯曲が。だから、ある八十何年の、あの、ブロンクスの、ある、情景の一部を切り取っただけだから、別に、その、ハッピーエンドでもないし、ロマンチックでもないし、で?って、最後に言われてしまったら、それで?って言われたら、コレですっていうしかない作品だから、観た人が、ね、みんながみんな、HAPPYではない、もちろん、みんな。ハッピーにはなれないし、そういう作品なんだけど、それが逆にナンかね、心地良いというか、やっぱり、この間も、取材でお話させてもらったんだけど、ちょうど、やっぱり80年代の後半になってきて、いろんなところで、格差が世界的に生まれてきた中で、多分、付いてこれなかった人たちっていうのは、いたと思うんです。日本もそうだけど。アメリカなんて、特にそうでしょ。特にニューヨークなんて。だって、あんだけ、スゴいマンハッタンで、綺麗な場所があって、その横に、ナンで、マンハッタンがあんだけ輝くかっていうのは、やっぱり、何かを綺麗なモノを作るには、その倍以上の汚いものが生まれてさ、ね、掃き溜めが出来るワケじゃないっすか。多分、きっと、同じ時期に、あぁ、綺麗だね、素敵だね、ロマンチックだねっていう作品は、おそらく、ホントに歩いてすぐの所の、プリティ・ウーマンだと思うのね(笑)」
植「うん」
マ「(笑)で、ダニーは、こっちの、あの、全然違った、また、下町の方の、距離感はホントに近いのに、これがきっと現実で、どっちも、ストーリーではあるんだけど、そうやって考えたら、より、その、今回の戯曲に、入り込めるかなっていうのは、ありましたね、はい」
植「昌宏がさ、今も言ったけどさ、いろんな事に、気が配れるヤツだからさ、この主人公の、ダニーっていうのが、遠いところにいるのかなとも思ったんだけど、それは、どうなの?自分的に、この役って」
マ「うん、あの、オレの周りには、こんな人、もちろん、いないよ」
植「(笑)」
マ「いないし、いたら、まず、すぐにぶん殴るけどね(笑)」
植「(笑)」
マ「だけど、やっぱり、多分、今はいないけれど、こういう人は、いっぱいいた」
植「うん」
マ「東京では大人になってから来てるから、大人っても、中学だけど、ナンか、その、北海道だったり、横浜だったり、で、こういうオジサンとか、いた。だから、世の中が理不尽だって言ってる、で、多分、この時代って、やっぱり、尾崎豊さんが流行ってたようにさ」
植「(笑)」
マ「何か、やっぱ、ナンかね、その、屈折とかさ、ね、ぶつけあうって、観えない光に向かって走るとか、何かを壊す、破壊、暴力とか、いじける。だから、その、さっき言ったさ、あの、フォークの人とさ、演劇の人は、そういう人だと思ってたからさ(笑)」
植「(笑)偏見だ。ま、そうとも言うけどね~」
マ「(笑)ナンか、だから、そういうのが入り混じった空気感と匂いっていうのは、ダニーから感じますよね。うん、でも、共感出来るとこは、実は結構あってね。不思議なんだけど。真逆っぽいんだけど、言ってる意味は解るのね。ダニーが怒るのも解るから、それにちょっと、ビックリした。コレ、怒るのが解る、自分は大丈夫かと思ったりもしたし、でも、そうだよなっていう」
植「はけ口の見つけ方が解んない」
マ「判んなくて、とりあえず、空いた穴んトコに、自分の感情を流し込んでるだけの人間だから、うん、その穴がないから爆発するんだなぁっていう、バースト起こすんだなぁっていうのはね、とても解る」
植「向こうに、ナニ、例えば、ぶつかる、人とぶつかるじゃない?向こうに全然、非が無くてもさ、こっちから、ナンか、ぶつかってっちゃうっていう感じ」
マ「そうそうそうそう」
植「(笑)」
マ「もう、向こうなんて、カンケーないっていうさ、もう、まず、人の事を少しでも気にすることが出来るんであれば、彼は、こんな風にはなってないっていう(笑)うん。じゃ、なぜ、彼がこうなったのかっていうのを紐解くよりも、彼を受け入れちゃった方が、早いなっていう」
植「役作りするには」
マ「うん、そっちから入りました」
植「あの、藤田くんは、アレ、お互いに観たじゃない、『手紙』っていう作品を」
マ「観た」
植「ナンかさ(笑)」
マ「オレ」
植「(笑)メールをくれてさ」
マ「オレ、前の日にさ、ジュネが観た、前の日に観ててさ、あの、男の子がさ」
植「柳下大」
マ「う、すごいね~、あの子!ホントにスゴい子だね」
植「ナ、ナン、でもさ、ナンで、急に、その、感想メールをオレにくれたんだろう?」
マ「あの、だって、じゅねと一緒に芝居してた子だから」
植「うんうん」
マ「柳下大くんが」
植「そういう事か」
マ「それで」
植「でも、あとから、オレは、そん時、知らなかったけど、後から、考えたら、あ、ダニーに繋がるんだって思ったけど」
マ「あ、そうか!オレが観に行ったって事ね」
植「そうそう」
マ「あ、オッケー、オッケー。そういう事だね」
植「うんうん」
マ「で、1幕観て、ホント、この、どう、この作品は、どうなるんだ?って思って」
植「(笑)」
マ「ビックリしたの」
植「(笑)お互いね、それ」
マ「がちがちの大映作品みたいな(笑)だったから、スゲーな!どうなんだろう?って思ったら、2で、あんなに動くんだ!と思って。いや、でも、スゴい、あの、どんでんがえしと、やっぱ、演出と、で、柳下くんの、あの、表現力の豊かさ。ちょっと、抱かれたいなと思った」
植「(笑)」
マ「(笑)」
植「いや、藤田くんの演出も、藤田くんってさ、ナンか、東京芸大なんでしょ」
マ「判んない」
植「で、あの、美術から」
マ「あ、でも、そうだって言ってた。美術のアレは」
植「しかもさ、バンドもやってるでしょ?」
マ「そうそうそう、バンドもおやりになってんだよね」
植「だからビジュアル系にもさ、美しい顔をしている(笑)しさ」
マ「うん」
植「そういうのも、演出に感じる?あの、ナンていうの、美的センスっていうかさ」
マ「うん、えーとね、空間センスは感じる」
植「あ~!」
マ「うん」
植「はぁはぁ」
マ「空間デザイナー的なモノは、すーごい繊細。うん、で、やっぱり、声で聴いてるんじゃなくて、あの人は音で聴いてると思う」
植「ほぅ~」
マ「演出。ナンか、だから、ミュージカル、結構、おやりになるって言ってたけど」
植「うんうん」
マ「あ、この人、やっぱ、音の人だっていうのは、感じる。バンドやってる人、特有の」
植「(笑)」
マ「あの」
植「(笑)バンド仲間」
マ「そうそう。そっちで、休符で教える人(笑)楽譜で教える人。うん、それは解るわ」
植「今回、でも、観に来る人、に、何を届けたいっていうのはある?」
マ「うーんとね、届けられるモノはないと思うので、ナンか、こういうリアルなモノ、多分、最後のアナログ時代なのかな。だから、この時代がいい、悪いじゃなくて、こういったモノがあったんだなぁって事が、知ってもらえればいいなっていう。オレも、ナンか、それを知ったから、自分で知ったモノを今度は自分の表現で、伝えるっていうのが、オレの仕事だから、それでナニかが、知ってもらえたらいいなっていう事ですかね」
植「ナンかね、その、初演で演じてた、その、ジョン・タトゥーロっていう人、あとがきに書いてあったけど、ま、ニューヨークまで、評判を呼んで、やったあとに、評判がいいから、ロンドン公演をって言われたんだけど」
マ「あぁ」
植「もういいって」
マ「(笑)もうヤダって言ったでしょ」
植「断ったっていう」
マ「でもね、もってかれる」
植「うん。あ」
マ「体もそうだけどね」
植「気持ちがね」
マ「あのね、(笑)ホントに1回ね、本読みした時に、言ったのは、このオレがですよ、コレ、酒、飲めねーや(笑)」
植「あ~!」
マ「(笑)」
植「(笑)」
マ「もう、帰って来れなくなるかもしんないって言った」
植「切り替え上手な松岡さん」
マ「(笑)帰って来れないかも知んないと思った。今、だいぶ、慣れてきた」
植「うんうん」
マ「今、だいぶ、慣れて来たけど、いやぁ、コレ、持ってかれるね~。肩凝った、最初。スゲー、肩凝った」
植「うん。ま、今、だいぶ、稽古も進んで」
マ「はい」
植「通してみて」
マ「少し通してみて、あ、こういう事なのねって解って来たけど、うん、それでもやっぱり、いろんなとこ、持ってかれる」
植「うん」
マ「少しでも、ま、油断って言ったら、おかしいんだけど、コレ、不思議だね~。入り込もう、入り込もう、入り込もう、と思ったら、入り込みすぎると、全く戻って来れなくなっちゃって、ナンだろ」
植「(笑)あの、危険な人じゃん、街歩いてる時に」
マ「そうなの!それが気を付けなきゃと思って、ホント、ダニーになりすぎて、もう5分間ぐらい、黙ってやろうかなっていう風に思っちゃうぐらい」
植「ゴメンね、ラジオでこんなに喋ってもらって(笑)」
マ「(笑)いやいや、全然、全然なんだけど、もう、黙っちゃおうかなって思うぐらい、ダニーが入って来る時があるから、オレはホントに、イタコじゃなくてヨカッタなと思うけど(笑)」
植「なるほど」
マ「それぐらい、抜けない、ダニー、っていうのは、ありますね」
植「はい、では、もう、最後に、もう、さっきも言ったけど、最後、〆て頂ければ」
マ「そうですね、ま、新しい挑戦で、うん、あの、こういった作品で、嬉しくて、あの、お世辞じゃなくて、こういうスゴいモノがあるって事を知れたので、うん、それは僕の今、出来る、当たり前の事だけど、全力でやって、それをお届けするしか、オレは出来ないから、あの、背伸びすることなく、その表現なのか、パフォーマンスなのか、空間なのか、ニオイなのか、解らないけど、ナンか、一つを感じ取って頂けたらいいなと思いますんで、是非、あの、劇場に足を運んで頂ければと思います」
植「うぃーっす」
マ「うぃっす」
植「では、紹介させて頂きます」
マ「はい」
植「『ダニーと紺碧の海』は東京公演5月13日土曜から21日を紀伊国屋ホールで上演されます。料金が全席指定8500円、兵庫公演5月27日土曜日と28日日曜日、兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールで上演されます。料金が全席指定7500円 未就学児は入場できません。チケットは、チケットぴあ、ローソンチケット、eプラスなどで発売しております。詳しくはパルコステージの『ダニーと紺碧の海』のホームページをご覧ください。という事で、よく出てくれた」
マ「スゴい!よく、そんなに一気に読めますね⁉」
植「いやいや。本日のゲスト、この方でした!どうぞ!」
マ「松岡昌宏でした!ありがとうございました!」
植「ありがとうございました」
マ「ありがとうございました」
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