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M「お待たせしました。この時間のゲスト、紹介しましょう。宮藤官九郎監督です」
宮「どうも、こんにちは。宮藤官九郎です」
M「初めまして」
宮「宜しくお願いします」
M「お会いしたかったです」
宮「あ、ありがとうございます」
M「ホントに、ようこそ、北海道に」
宮「そうですね、割と、滅多に来ないですね」
M「なかなかですよね」
宮「えぇ」
M「RISINGぐらいですかね」
宮「ぐらいですね。あ、でも、今回のアレでは、2回目なんですよ、北海道、キャンペーン来るのは。1月に、1回来てるんで。そん時は、え~、神木くんも、長瀬くんも一緒だったんですけど、えぇ、今回は僕一人でスミマセン(笑)」
M「スミマセンじゃないです!全然。ようこそ、お越しくださいました。そうなんです、6月の25日に、いよいよ公開ということになりますね。宮藤官九郎監督最新作『TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ』え~、ホント、公開がいよいよという。ようやくって感じですね」
宮「そうですね、ようやくね、今週、あ、25日か、25日に公開になります」
M「はい。もう、ナンか、やっとだなぁっていう感じですか?」
宮「そうですね、もう、いろいろ、他の仕事しながらですけども、この半年ぐらい、ずっと、この映画のキャンペーン(笑)してるんで、はい」
M「そういう事になりますよね」
宮「はい、なので、やっとだなぁっていう感じです。逆に、あの、公開しちゃうと、スゴく、喪失感があるんじゃないかなと思います(笑)」
M「ロス的なものが、出るんじゃないかぐらいの」
宮「はい(笑)」
M「ていう事ですけど。【ストーリー紹介略】」
宮「そうですね、そういう映画ですね」
M「で、まぁ、あの、舞台には、もちろん、地獄が出てくるワケですけど、そもそも、地獄を舞台にするっていうストーリーのキッカケって?」
宮「そうですね、いろいろあるんですけど、あの、死んだあと、人はどうなるんだろうなっていうか、自分が死んだら、死んだで、死んだで終わりなのかなぁっていう事は、結構、子供ん時から、漠然と考えてて、もし、死んで、それで終わりだとしたら、ナンか、死ぬの、スゴく、イヤだなと思ってたんですけど、あの、ま、こういう風に、地獄が、地獄に行って、こういう風なドラマがあるとしたら、死ぬのも悪くないかなぁって、いうような、死ぬことが怖くなくなるような、映画あったら、いいのになぁと、思ってたんですね。なので、この映画は、あの、生きてる人間から、死んだ人の事を描くと、ちょっと、やっぱり悲劇的になると思うんですけど、この映画は、死んでる人間から、生きてる人間たちを描いているのを見てるっていう、あの、作品なので、暗くなら、なりようがないというか、はい。あの、それは、あの、作ってみて解った事なんですけど」
M「そうなんですね」
宮「はい。なので、スゴく、『TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ』っていうタイトルなんで、スゴく、Negativeな、そう、思うかもしれないですけど、スゴく、Positiveな意味合いの、若くして死ぬっていうタイトルなので、そういう気持ちで観て頂けるとありがたいです」
M「そうですね。むしろ、懸命に生きたくなりましたよ、ナンか」
宮「そうですね、生きてるって事を描いてる映画なので、はい」
M「そうですね。で、舞台が地獄も出てくるワケですけど、それが物凄い豪華で」
宮「あぁ、そうですか」
M「スケールが、スゴいなと思ったんですけど」
宮「はい、あの、ま、台本書いて、あの、こういう映画だ、っていう時に、地獄をどういう風に表現するかっていうのは、皆さん、台本読んだ人も、いろんな案が出たんですけど、今の技術を使えば、Full CGで地獄を、その、作る事も出来るんですけど、いや、それは映像の専門家がやった方が、上手く行くんじゃないかっていうか、僕、そこまで、プロじゃないので、やっぱ、あの、役者の芝居を、演出するのは好きですけど、そういう、この、グラフィックの方になると、僕、ちょっと、やっぱ、専門外だなぁと思って、ナンか、自分がそれをやるとしたら、一番、どういう手法が自分らしいというか、他の人に負けない、としたら、ナンだろうなぁと思った時に、もう、あの、舞台の美術みたいな、その場に地獄を作っちゃおうと思ったんですね、スタジオに。で、え~、大きいスタジオ借りたんですけど、大きいスタジオに、地獄を、その、再現して、その中で、お芝居をするっていう方法を思いついて、だから、結構、あの、イマドキ、逆にアナログなんですけど、イマドキ、あんまり見たこと無い、映像になってるんじゃないかなと思います」
M「ホント、そうですよね。世界観が奥まで、ホントに広がってて」
宮「そうですね。それで、ぐるーっと幕を、白っていうか、白い幕に、炎が描いてあるような、背景幕を、ぐるーっとスタジオに垂らして、その前でやってるんで、あの、後で合成する必要もないので、カメラが自由に割と動けたんですね」
M「なるほど」
宮「それは、スゴい、やってみて良かったですね。役者さんの芝居を、全く制限しなかったんで、スゴくLIVE感のある、映像が撮れたなぁと思います」
M「で、舞台もそうなんですけど、キャストもね」
宮「そうですね、豪華ですね」
M「もう、ホントに!ずっと観てて、あ、この人出てる!みたいな感じでビックリしたんですけど。しかも、かなり贅沢な感じで」
宮「そうですね、あの、割と、ガッツリ出てる、長瀬くんと神木くんとか、その辺の人達以外は、割と、ナンか、こう、あの、集中で、撮影が出来たので、割と贅沢なキャスティングが出来ましたね。それは、まぁ、地獄を都内に作ったからっていうのも、ありますけどね」
M「(笑)なるほど。都内だったんですね」
宮「近いですから、はい(笑)それもあると思います」
M「贅沢にっていう感じですけども、この、あの、役ありきで配役した感じなんですか?」
宮「そうですね、そもそも、この企画自体は、もう、長瀬くんと、Rockの映画をやりたいっていうのが、一番最初にあったんですよ。で、それを考えてる途中で、地獄っていう設定を思いついたので、長瀬くんが、あの、地獄の、あの、地獄専属Rock Bandの、え~、Guitar/Vocalの、キラーKっていう、鬼の役なんですけど、赤鬼なんですけど、コレは最初から決まってて」
M「へ~!」
宮「はい。長瀬くんで行こうと思ってて、逆に言うと(笑)長瀬くん以外、出来る人、いない、今考えても(笑)いないなぁと思うんですけど、はい。で、その、地獄に堕ちてくる高校生の役を誰にしようかなぁと思った時に、僕、『11人もいる!』っていうドラマで、一緒に仕事をした、神木隆之介くんが、スゴく、え~、ナンていうんだろうな、あの、他の作品では、あんまり見せてない、ナンか、こう、いい加減な、チャラいキャラクターを、ドラマでもやってもらって、コレ、面白いなと思って、それで、え~、映画で、コレ、やってみたら、どうだろうと思って、どんどん、大助っていうキャラクターも、神木くんに寄せて行ったんですけど、はい。その、メインが、2人がもう、決まってたんで、後はラクでしたね(笑)」
M「ま、ミュージシャンの方もね、たくさん」
宮「そうですね、Charさんとか、マーティさんとか、Rollyさんとか、え~、結構、豪華な(笑)キャスティング」
M「豪華な人が、ま、どんな、ね、ビジュアル出てくるのかっていうのは、是非ね、お楽しみ頂きたいなと」
宮「まぁ、それは、観て頂きたいですけど」
M「あと、個人的には、あの、じゅんこという役、あの、皆川さんの」
宮「皆川さんは、もう、はい」
M「もう、コレはね」
宮「女子高生の役で」
M「(笑)そうですね」
宮「本人、45歳なんですけど、あの、17歳の設定で、え~、やって頂きましたが、でも、あの、じゅんこも、結構、先に決まってたんですよ」
M「そうなんですね」
宮「あの、地獄の物語にしようと思った時点で、地獄に居るのは、基本的に、有象無象というか、あの、まともな人は、一人もいないはずなので。鬼とか、獄卒とか、そういう人しかいないから、女子高生も、普通に女子高生がやったら、インパクトないだろうなぁと思った時に、ま、僕、グループ魂っていうバンドやってて、その中で、よく、皆川くんは、女子高生のコスプレをするんで、あれ、コレ、映像でやっても行けるんじゃないかなぁと思って、で、最初の段階から、皆川くんにしたいなぁと思ったんですね」
M「そうなんですね。女子高生たちという事でね、アーティストさんだったり」
宮「あ、シシドカフカさんとか、そうですね、あの、豪華ですね(笑)イチイチ」
M「(笑)ホント、細かく、豪華でございましたけども。そして、死神、死神役」
宮「えぇ」
M「尾野真千子さん」
宮「尾野真千子さんは、あの、この役は、え~、あの、ま、長瀬くんが、生前というか、現世で付き合ってた女性の役なんですけど、あの、ある人に言われて、自分でもそうだなぁと思ったんですけど、この、なおみっていう、女性の目線から見ると、この、映画、スゴく、悲劇的な、え~、スゴく感動のストーリーになるんですよね。自分の彼が死んじゃって、その、彼が残した曲があって、その曲を聴けなかったっていう、その、ナンか、こう、いかにも、あの、メロドラマになるんですけど。この映画、全く、ソッチ側、描いてないんで(笑)あの、想像してもらえると、いいなぁと思うんですけど」
M「あぁ、ちょっと、こう、なおみ、立場になって」
宮「そうですね。さすがに、イイ女優さんだなと思うんですけど、それを、僕が説明してないのに、ちゃんと、最後には、あの、そこに、上手く落とし込んでくれているので、最終的に、スゴく、ポロッとくるエピソードですよね」
M「そうですよね。そういう意味でも、かなり、印象的な役でしたけれども。あとですね、あの、映画自体もそうなんですけど、劇中の曲ですね」
宮「あぁ、音楽。はい」
M「今回、ミュージシャンの方もね、もちろん、たくさん、出てらっしゃるっていう事もありますけれども、曲もとにかく、イイ曲ばかりというか、感じで」
宮「そうですね、あの、特に、地獄図の曲は、えっと、『TOO YOUNG TO DIE』っていうタイトル曲は、え~、元Mad Capsule Marketの、KYONOさんに作曲して頂いて、あと、それ以外の、え~、『天国』って、バラードは、あの、他の劇伴とか全部やってもらってる、向井さん、向井秀徳さんに作ってもらったんですけど、あの、全く、全然、タイプが違うというか、そもそも、ま、僕、向井さんとは、映画、コレ、4作目で、全部、僕の映画の音楽、向井さんにお願いしてるんですけど、今回、ホントに、バリエーション、ま、豊富な曲をいっぱい、書いて頂きまして、で、KYONOさんは、KYONOさんで、ホントに、ナンつーんだろ、もう、あの、自分の、最初の、オーダーが、ホントに、あの、耳に残るリフと、サビが、急にメジャーになるっていう、それだけしか、言ってないんですよ」【それでTYTDが出来たって、スゴい!】
M「(笑)」
宮「それで、よく、こんなイイ曲、作れるなっていうか」
M「え、そうなんですね!」
宮「はい。僕、あんまり、こういう音楽、実は、そんなに詳しくなくて、でも、ナンか、こんな感じじゃないかなぁっていうのだけ、伝えて、それで作ってもらったんですけど」
M「でも、まさに!っていうモノが仕上がってきたという事なんですね」
宮「それは素晴らしかったですね。長瀬くんも、どっちも、スゴく、気に入ってくれて、あの、ナンか、あの、コーラスの、は、は、ハモリのラインとか、長瀬くんが考えて来てくれて、全部。で、あの、桐谷健太くんとか、清野菜名さんとか、神木くんにも、そうですけど、全部、その、ディレクションしてくれて、こういう風に、こういう風に歌った方がいいよとかって。だから、ある意味、リーダーですよね、もう、音楽の、バンド内の、バンドでの」
M「そうですね、ホントに地獄図が」
宮「そうなんですよ」
M「本気でね」
宮「やって頂いて」
M「されてるという事で。サウンドトラックも出るんですもんね」
宮「そうですね」
M「6月の22日『TOO YOUNG TO DIE 地獄の歌地獄』(笑)かなりボリュームのある」
宮「そうですね、あの、僕、サントラって、スゴい、映画と同じぐらい好きで、やっぱ、子供ん時、観た映画を、こう、帰って来てからサントラを聴きながら、こう、思い返すっていうのが、結構、楽しかったんですけれども。最近、DVDになっちゃうから、その必要が、ドンドン無くなっちゃってきて、でも、これはね、ホント、サントラ、いいので、あの、曲、聴いてもらって、映画、また思い出してもらえるとね」
M「6月の、こちら、22日という事なので、是非、併せてチェックして頂きたいと思います。で、あの、カッコいいヤツが、地獄へ行くっていう、言葉がね、よく出てきて、私もスゴく、印象的だったんですけど、それはもう、監督がそう思ってらっしゃる?」
宮「そうですね、ナンか、カッコいい、あの、カッコよすぎて地獄へ落ちるっていう歌詞が出てきたので、アレですけど、ナンか、やっぱ、あの、日本人にとっての地獄って、悪いヤツが落ちるところですけど、ナンか、ヘビメタとか、ハードロックの歌詞に出てくるHellっていうのは、オレたちは、地獄に堕ちることも、いとわない的な、ナンか、こう、あの、カッコいい、あの、ニュアンスで出てくる事が多いので、あ、じゃあ、カッコいいヤツは、みんな、地獄にいるんだって思うと、その、歌詞に出て来ますけど、あの、カート・コバーンとか、ジミヘンとか、え~、マイケル・ジャクソンとか(笑)清志郎さんとか、もう、亡くなった方たちは、みんな、地獄にいるんじゃないかって、あの、ね、Rockやってて、天国行きたいなんて、ちょっと、やっぱり、ムシがよすぎるような気がするので、あの、やっぱり、あの、カッコいいヤツは、それだけ、やっぱり、悪い事もしてるから、地獄にも(笑)地獄に堕ちるんだっていう方が、ナンか、夢があるかなっていうか、はい。ナンか、この映画観て、っていうか、この映画作ってからですけど、いろいろ、例えば、誰かが、亡くなった時とかに、あぁ、でも、今、地獄にいるんじゃないかなぁって思うと、あの、ナンか、全然、遠くに行った感じがしなくて、いいなぁと思います、はい」
M「いや、ホントに、あの、一番最初にお話聴いた事にも、ちょっと、繋がりますけど、ホントに、死ぬのが怖くないっていうか、あの、むしろ、地獄って、ナンか、ちょっと、頑張ったら、スゴい、楽しいんじゃないかみたいな、思えたりして」
宮「ちょっと、アトラクションっぽいですよね(笑)地獄の」
M「そうですよね、懸命感みたいのが、物スゴく出てて、っていう感じもありますし、プラス、こう、今、生きてる事をもっと頑張ろうみたいな、思いにもなれるっていう、作品になってるので、是非、6月の25日です、土曜日、いよいよ公開という事になります『TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ』皆さんも是非、劇場に足を運んで頂きたいと思います。という事で、この時間は、宮藤官九郎監督に、お話をお伺いしました。ありがとうございました」
宮「どうもありがとうございました」

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